前門の虎、後門の狼


 俺は森の中をふらふらとさまよっていた。
昨日の昼間から一日中森をさまよいつづけている。
それというのも昨日、森を抜ける道の途中で獣人たちに出会ってしまい道をそれて森の中に逃げ込んだからだ。
俺も一応剣を持っているし、腕にもそれなりに自信はあるが
さすがに獣人二人を同時に相手できるほど人外の腕を持っているわけでもない。
そういう時は素直に逃げるのが一番だった。
しかしそれが元ですっかり道に迷ってしまい結局一日中森のなかを歩きつづける羽目になった。
森の中を歩くのはこれで結構大変で、小さな草木の枝が引っ掛かって擦り傷がたくさんできる。
モチロン俺は鎧も身に付けているのだが、動きやすさを重視して股間回りと胸、
それに前腕くらいにしかつけていない。それ以外の部分は服があるだけで当然何かあたれば痛い。
 しかしどこまで歩けばでられるんだ、この森は。
そんなことを考えながら俺は溜息をつき、目の前の藪を掻き分けながら一歩を踏み出した。
「んっ!?」
 思わず声が出た。
足を踏み出した先には・・・
地面がない。
「うわぁっ!」
 俺はそのまま崖下に転落した。

 


 しばらくして俺は目を覚ました。
短い間だが気絶していたらしい。
体をざっと見渡すが怪我はしていないらしい。
俺はその場に体を起こした。
「・・・。」
 体に違和感を感じた。
なんだかすこし、息苦しい。
ひょっとして変なガスでもたまってるんじゃなかろうな。
俺はとにかくその場を離れることにした。
 そこである異変に気づく。
いつも俺の腰に刺さっているはずの剣がない。
俺はすばやくあたりに目をやった。
少し離れたところに剣が落ちているのに気づき、俺はそれをとるために歩き出した。
がさり。
剣に手が届きそうになったその時、ちょうど剣の向こう側から狼獣人が1人現れた。
「・・・。」
 俺を見つめたままそいつは動かない。
俺も足をとめ、必死で考えた。
1、このままダッシュでつっこみ、剣をとりきりつける。
2、逃げる。
2だ。
相手が一歩でも前に出れば剣に手は届かない。
 俺は逃げるべく、その場で振り返る。
だがそこにはもう1人の虎獣人が立っていた。
「マジかよ・・・。」
 右手を見るがそちらはさっき落ちてきた崖が聳え立っている。
そして左手は木が鬱蒼と生い茂りとても通れそうにはない。
絶対絶命。
そんな言葉を思い浮かべながら俺は視線を落とした。
俺の目に飛び込んできたのは獣人の下半身。
基本的に奴らは服を着ない。
中には身に付ける奴らもいるようだが今はそんなことはどうでもいい。
今問題なのは、奴らの下半身にある立ち上がったモノ。
昨日会った奴らは普通にぶらぶらとさせていた。
なのに今日はしっかり立ち上がっている。
・・・発情?
 そんなことを考えている間に奴らは間合いを詰め俺のすぐそばまで来ていた。
「くっ!」
 とっさに身をかわそうとするが二人がかりではどうしようもない。
あっという間に俺は下半身の鎧をはがされた。
「冗談じゃねえぞ!」
 もうこいつらの目的は間違いない。
俺を犯すつもりだ。
なんだってこんなところで獣人に、しかもよりによって男に犯されなきゃならないんだ!?
 必死で俺は逃げようとあがくがそれも無駄だった。
あっという間に俺はねじ伏せられる。
 俺の目の前に獣人の男根が聳え立っていた。
みたこともないほど立派なモノが毛を掻き分けるようにそそり立つ。
恐ろしいほどの太さと色の黒さだった。
なぜかそれを見つめる俺の体が熱くなる。
男に興味なんかないはずなのに。
 獣人はゆっくりとそれを俺の口に差し入れてきた。
俺は抵抗を試みるが獣人は許そうとしない。
「んがっ!」
 根元まで埋まると、虎の亀頭が俺の喉を刺激する。
必死で吐き気をこらえながら俺はそれに舌を這わせてみた。
虎の気持ちよさそうな声が聞こえる。
俺は調子にのってそれを舐めまわした。
ふしぎとそれを舐める行為に俺は興奮していた。
俺の下半身はズボンを大きく押し上げ染みを作っているだろう。
それほどまでに俺は興奮していた。
 俺の後ろにたった獣人が俺のズボンを引き裂く。
俺は露になった自分の尻を獣人によく見えるように突き出した。
ヌルリとしたものが俺の肛門を這い回る。
獣人が俺の肛門を舐めまわしていた。
まもなく獣人のモノが俺の肛門にあてがわれる。
「はやく、早く入れてくれよ。」
 俺は片手で目の前の虎のモノをしごきながら後ろに立つ狼に叫んでいた。
言われなくとも、とでも言うように狼は一気に俺を貫いた。
「くぅっ!」
 さすがに初めての尻で狼のものを受け入れるのはかなり厳しかった。
だが、切り裂かれるような痛みとともにすぐに快感が俺に忍び寄る。
「はっ、あっんっ!」
 俺は突き上げられるリズムにあわせてよがり声を上げながら
再び虎の大きな男根を口にした。
亀頭の先端からあふれる先走りの味、舌で感じるからみついた血管の感触、
大きなきのこのように開いた雁、すべてが興奮する材料だった。
・・・きのこ?
俺の中で何かがひっかかる。
だがすぐにそれどころじゃなくなった。
「あああっ!」
 後ろの狼がラストスパートをかけてきた。
それとともに俺を凄い快感が襲う。
俺も必死で尻を締め付けながら、口の中のものを吸い上げた。
『イくっ!!』
 三人の声が重なった。
俺の口と尻に虎と狼の体液が流し込まれる。
それに押し出されるように、俺のモノからも精液があふれていた。
 どさり、と音を立てて俺の体がその場に下ろされた。
「まだまだおわらねえぞ・・・。」
 そう言って虎がニヤリと笑う。
獣人ってしゃべれたのか・・・。
「こんな具合のいいのは珍しいからな。」
 狼も俺の体を撫で回しながら言った。
俺はこいつらに犯されつづけるのかと思うと体の芯が熱くなった。
いつから俺はこんな淫乱になったのだろう。
口から虎の、尻から狼の精液を垂らしながら俺はふと視線をそらした。
目に飛び込んできたのは木の根元に生えているきのこ。
それを見た瞬間俺は理解した。
このあたりにはあのきのこが出した胞子が大量に舞っているのだろう。
催淫効果のある胞子が大量に。
 それでも。
「うわあっ!」
 虎が俺のサオを根元までくわえ込んでいた。
 
 たとえきのこの胞子が原因でも、俺はこの快楽からは抜けられそうにない。