王者の資質

 


 とある国の、王権が交代した。
世襲により、先代国王からその息子へ。
それはどこにでも見られるような、ごくありきたりな行事だった。
先代の国王は真面目で、国内に不安材料となるものなど考えられなかった。
それはその息子に代替わりしても同じ事。
息子に引き継がれても、国は概ね平和だった。
ただ一つ、問題点があったが・・・。

 

「よう、若王。おつかれさん!」
「あ、ああ。お疲れ様。」
 『仕事』を終えて廊下を歩いていると、兵士が国王の背中を叩いてそう言った。
その後姿を見送りながら国王は大きく溜息をついた。
父親が引退し、国王としての責任を負わされたときは緊張もしていたが、
万事が順調に運んでいる今となってはそれもない。
今の悩みといえばただ一つ、彼に対する兵士の態度だった。
特に反抗的だとか、嫌がらせがあるわけじゃない。
仕事を言いつければ皆しっかりと働いてくれる。
それでも、どこか彼は兵士達に子供のように扱われていた。
今の上層部は、彼が子供のころからの顔見知りが殆どである。
子供のころから知られているためか、単に彼のカリスマ性が足りないのか。
親しみやすい、といえば聞こえはいいが、実際は尊敬されていないだけである。
なんとかこの状況をかえられないものか、と彼はいつも悩んでいた。


 彼の名はジン。もちろんフルネームでなく、愛称であるが。
正式な名を覚えている人物は(父親も含めて)誰もいない、と噂されている。
 子供のころから武道を教えられ、鍛え上げられた体は兵士達に勝るとも劣らないほどの筋肉を有している。
父親譲りの、獅子獣人特有であるタテガミも彼の魅力を増していた。
 そんな彼が、打開策を閃いたのはある雨の日。
策と呼ぶにはお粗末なものだが、ダメで元々である。
彼は深く考えず実行にうつすことにした。
その日の夜に、上層部の兵士達が仕事を終わらせたのを確認して彼は風呂場へと向かった。
兵士達は仕事が終わると風呂に入る習慣がある。
特に今日は雨、猫科の獣人が多い兵士達はさっぱりするために風呂に入っているはずだった。
 脱衣場に入ると、服が大量に脱ぎ散らかされている。
浴室の中からは大きな笑い声も聞こえ、どうやら中にいることは間違いないようだった。
ジンはそれらを確認するとおもむろに服を脱ぎ、全裸になる。
他人の前で肌を晒すことにやや抵抗を感じたが、彼は小さく息をつくと思い切って扉を開けた。

 

 


「やあ。」
 ジンの言葉に、中にいた兵士達がみなそちらを向く。
「おう、若お・・・」
 そこで言葉が止まった。
兵士達の視線はすべて、ジンの股間に集中している。
それもそのはず、彼の逞しいからだからぶら下がったものは平常時でも相当な大きさだった。
 この国では、ごく一般的な習慣として兵士達の間で男色行為が行われている。
特に上層部の兵士となればそれこそ『百戦錬磨』。
古参の兵士だけでなく、前国王とも関係があったものたちである。
それでも、彼らの前にさらされた大蛇のようなそれは今まで見たこともないものだった。
 ジンは、そんな彼らの視線を感じながらもできるだけ平静を装いながらゆっくりと歩いた。
歩くたびにぶらぶらと揺れる肉棒と、その奥にある大きな袋に兵士達は言葉も出ずに見つめつづけた。
 彼はあくまでゆっくりと湯船に近づき、片足で湯船を跨ぐとあえてその姿でいったん動きを止める。
絡みつくような視線にやや反応するが、股間のモノが立ち上がる前にジンは湯船に体を沈めた。
軽く息をつくと湯をすくいあげ、顔をこする。
だれかが、ごくり、とツバを飲んだ。
「たまには皆で入るのもいいもんだな。」
 そういいながらジンは軽く腰を持ち上げる。
浅い湯船であるため、それだけで彼の肉棒は水面ちかくまで顔を出した。
さらに、兵士達の前でそれは成長をはじめた。
血が通い、さらに大きく、太くなっていく。
あっという間にそれは水面から黒い頭を突き出した。
びくりびくり、と振るえるそれに我慢が出来なくなったのかジンの右手にいる虎が手をゆっくりと伸ばしてきた。
手が届く寸前で止め、虎はこちらを真っ直ぐに見つめてきた。
目で「さわってもいいのか」と訪ねている。
ジンはじらすようにわざとらしく悩むそぶりを見せた後、虎の頭をつかみ自分の股間に押し付けた。
「口でしろ。手は使うなよ?」
 その言葉に虎は迷わずくわえ込む。
「ぐほっ!げ、げほっ!!」
 だが、大きすぎたのかすぐにむせて吐き出してしまった。
それでも今度は横手から舌で舐めあげる。
猫科のざらついた舌で舐められるたびに、浴室にじゃりじゃりという音が響く。
我慢できなくなったか、他の3人も争うようにしてジンの長大なモノを舐め始める。
われ先にと争うようにしてジンを舐めあげる行為にさすがに興奮したのか、
先端の割目からは先走り液がたらりと流れ落ちてきた。
それに気づいた牛が、他の三人より一足早く先端を舐めとる。
「うぅっ」
 その時の刺激にジンは思わずうめき声を上げた。
感じているのがわかったのか、四人は一斉に動きを変えた。
 虎はそのまま肉棒を横に咥えるようにして、上下に擦るようにして刺激を加えてくる。
四人の唾液にまみれた肉棒はぐちゃぐちゃと卑猥な音を立てる。
 牛は湯船にもぐるようにしてジンの下にもぐりこむ。
両手で彼の尻をつかむと大きく横に広げ、そこにある門に舌を伸ばした。
 狼と熊はそれぞれ左右の乳首を舐め始める。
それだけでは物足りず、空いた手でジンの耳をいじり始める。
「はあっ、あっんっ!」
 四人の的確な攻めにあっという間にジンは絶頂寸前まで追い詰められる。
ヨガリ声をあげるジンの顔を見ながら四人の顔がニヤリ、と笑った気がした。
「くぅっ!でるぞ!」
 咄嗟に虎の頭をつかむと、その口に自分の大きなサオをねじ込み大量の白濁液を吐き出した。
飲み込みきれなかった精液が虎の口から零れ落ちる。

 

 

 ジンが射精した後も、彼に対する愛撫は続いていた。
射精したにも関わらず、相変わらず天をつくようにそそり立つ肉棒に今度は牛がしゃぶりつく。
虎は先ほどの精液を手にとると牛の尻に塗りたくり始める。
下準備が出来たことを悟ると、牛はジンの上にのしかかるようにしてゆっくりと下の口に大きなモノを咥えこみ始めた。
 その間にジンは手を伸ばし、大きくなった狼のモノをつかむと自らの口に導いた。
牛は彼の上でゆっくりと腰を振り、狼は彼の目前で激しく腰を振る。
二箇所から聞こえる音がその場にいる皆を興奮させる。
「若王っ、もっと突け!」
 牛が半ば狂乱しながら口をだらしなくあけ、激しく腰を降り始める。
その言葉に答えるようにジンは牛の腰を捕まえると全力で突き上げ始めた。
「ひいいっ!」
 動き出したジンが、予想以上に奥深くまで侵入してきたために牛は声をあげて悶え始めた。
ただでさえ長大なものである上に、激しい動きで今まで誰も進入したことのない場所までジンはやすやすと侵入してくる。
牛は涎をたらしながらあえぎつづけるしかなかった。
 ジンが大きく腰を振ることで浴槽の湯がばしゃばしゃとはねる。
自分の顔にしぶきがかかるのも気にすることなく虎は、二人の結合部を覗きこんだ。
バタバタと暴れる牛の尻尾をつかみ、上にめくりあげると肉の色が生々しい二人の部分が見えた。
ジンが腰を引けば、牛の肉門からずるずると太い肉の棒が引きずり出される。
雁首が見えそうなほど引きずりだされたそれには青黒い血管が絡みついている。
虎が思わずツバを飲み込んでいると、こんどはそれがあっという間に牛の中へと入り込む。
それにあわせて頭上から牛のうめき声が聞こえた。
虎はそれに舌を伸ばすと、ジンの肉棒と牛の肉門を舐め始めた。
ジンの腰が動くたびに彼の肉の玉が虎の顔にぶつかる。
柔らかいような、硬いようなその感覚を感じながら虎は必死でその部分を舐め始めた。
 一方、狼は絡み付いてくるジンの舌を感じて立っているのがやっとの状態だった。
狼も『百戦錬磨』のつわものには違いないが、ジンはそっちの方面でも英才教育を受けている。
「わっ・・・若・・・」
 なんとか腰を引いて逃げようとするが、それにあわせてジンも頭を動かしてくる。
舌が絡みつき、雁にかるく引っ掛かるように当たる牙の加減にあっという間に射精寸前に追い込まれる。
もう出そう、というところまで来るとジンは軽く口をあけて刺激を遠ざける。
その繰り返しで、狼はもはや泣き出しそうになりながら必死で腰を振りつづけた。
「がああぁぁぁっ!!」
 牛の声がひときわ大きくなる。
熊が、牛の股間で暴れていた棍棒のようなソレにしゃぶりついたのだ。
軽く玉をもみながら一気に根元までくわえ込むと、熊の口の中に大量の先走りがあふれてきた。
それらをすべて飲みほすと、先端に舌をあて吸い出すようにしてさらに大量の液体を求める。
 無理やり搾取されるような感覚と、下から突き上げる感覚に牛は限界を迎えた。
「うおおおおぉぉぉっっっ!!!」
 牛の大声が浴室に響き渡る。
今まで感じたことのないような快感に牛は果てた。
熊も口の中に大量に吐き出された精液を必死で飲み込んだ。
 牛が射精したことを悟りジンも腰をふる速度を上げると、牛の中に大量の種を吐き出した。
牛からあふれ出る液体はジンの肉棒を伝い、虎の口に流れ込む。
それと同時にジンは狼のモノを吸い上げ、血が出ない程度に噛み付く。
その強い刺激に、絶頂寸前で止められていた狼はあっという間に果てた。

 

 絶頂とともに気を失うようにぐったりとした牛と狼を床に横たわらせると、ジンたちも湯船から出た。
ジンは熊の背中を押すようにして壁際に立たせると、壁に手をつかせ尻を突き出させる。
その場にあった石鹸を手にとるとそれを自分のモノと熊の尻に塗りつけ、一気に熊を貫いた。
「がああぁっ!」
 二度の射精にも全く萎えていない丸太のようなそれは、あっさりと熊の中に入り込んだ。
それでも相当の圧迫感が熊を襲っているらしく、目を閉じ口をあけたまま荒い息を繰り返す。
ジンは腰を密着させたまま熊にのしかかるようにして体を倒すと、熊の顔を無理にこちらに向かせてキスをした。
 一方虎は、自分に向かって突き出されたジンの後ろに歩み寄り、『入り口』を下で舐めほぐす。
ほぐれてきたのを確認すると、虎は指を一本内部に侵入させた。
ソレにあわせてジンの尻尾がびくん、と跳ね上がる。
二本、三本と指を増やしていくと熊の荒い息に重なるようにジンの息が聞こえてきた。
指を引き抜くと、ねだるように口をあけたそこに丸太のようなモノをあてがった。
虎のソレが根元まで差し込まれると、ジンは絶妙な力でそれを締め上げた。
「うっ!?」
 予想以上の快感に虎はそのままの姿勢でなんとか快感をこらえる。
しかし、ジンが熊が慣れたのを見計らって腰を降り始めた。
「ひいっ、はあぁっ!」
 余りにも大きいソレに、熊は苦痛とも快感ともつかない感覚を味わっていた。
前に回されたジンの手は熊の乳首と、先走りで濡れた股間の大砲を握る。
ジンが腰と手を動かすたびにぐちゃぐちゃと卑猥な音が響き渡る。
 その音に引き寄せられるように、這いずるようにやってきた狼は熊の大砲を咥え、牛は虎の尻を舐め始める。
牛に尻を舐められ、ジンに搾り取られるように前を攻められた虎はあっという間に絶頂に達してしまった。
びくり、びくり、と体が震えジンの体内に大量の液体を吐き出した。
だが、虎はまだ満足していないとばかりに腰をゆっくりと振り出した。
動くたびにジンと虎の結合部からぐちゃぐちゃと大きな音が聞こえる。
牛は太い指を虎の内部に侵入させるとかき回すようにして指を大きく動かした。
「うはぁっ!」
 熊がひときわ大きな声をあげた。
深々とえぐられる感覚に熊の理性は吹き飛んでいた。
快感を求めるようにして狼の喉深くに自分の大砲を打ち込むと、
すぐにジンの股間に自分の尻を擦り付けるようにして快楽をむさぼる。
動けば動くほど襲ってくる快感に犯され、熊はただ射精欲だけのために動いていた。
 複数の結合部から響く音に、皆が興奮していた。
そして、熊が果てた。
ねっとりとした濃い液体を狼の口の中にどろどろと吐き出す。
びくびくと絞まる熊に応えるように、ジンは三度大量の液体を吐き出した。
「うっ、あっ、あぁっ」
 牛に尻を攻められていた虎もやがてジンの中で再び果てた。

 

 四人はその場にぐったりと横たわると半ば朦朧とした意識でジンを見上げた。
そこにはいまだ最大限まで勃起したものがジンの臍を越えて反り立っている。
「まだ、終わらないぞ?」
 この後四人は、1人五回は抜かれた。

 


「悪いが、頼んだぞ。」
「はっ!」
 虎の兵士が深々と頭を下げて彼の前から立ち去った。
アレ以来、部下達の態度が豹変した。
ジンの無限ともいえる精力に恐れをなしているかのように。
悩みも解決し、もてあまし気味だった性欲も解消することが出来てジンは満足だった。


ただし、彼は気づいてはいない。
今現在の部下との関係は、プレイとしてしか成り立っていないことに。

 


                                         完