成長
とある大陸にある小さな森の外れ。小さな村の中での出来事だった。
その村では「獣人」と言われるもの達が暮らしていた。
獣人の雄だけが暮らす村。彼らは雄と雌で発情期が違うため普段はわかれて住んでいた。
そんな村で、状況から考えれば当然の出来事が起こった。
村に訪れたある夜。一人の獣人がが闇にまぎれて友人の家であるテントに忍び込んだ。青年とも、少年とも言える微妙な年齢である。
別に夜中だからといって家の出入りが禁止になっているわけではない。ただ夜中にこっそりと行動しているというスリルが重要なのだ。
彼の行動もいつもの事と言えばいつもの事であった。
「待たせたな、カイ」
中にいた一人の獣人に声をかける。
「ザック・・・。いちいち裏から入ってくるなよ。」
うんざりしたような顔で住人−カイは言った。友人のザックがいつもいつもテントの裏から忍び込んでくるのが彼の最近の悩みだ。
「そういうなよ。いい事教えてやるからさ。」
嬉しそうな顔でザックはカイの背中をバンバンと叩いた。知らず知らずのうちにカイの口からため息が漏れた。
ザックにかかれば焼き芋の焼き方すら『いい事』に分類される。幼少の頃は狩りや釣りの方法、顔のペイントの入れ方や
かっこいい羽飾りの作り方など、実生活に近いものが多くカイもザックの話を楽しみにしていたものだが、
いつの頃からかただのどうでもいい情報になってしまっていた。
今日もまたそんな情報の一つだろうとカイはたかをくくっていた。
「今日は本当にいい事だぜ。兄貴が隠してたこと教えてやるから。」
ちなみにザックには実兄が、カイには兄兼父代わりの副村長がいる。
「なんだよ?」
いまだに胡散臭い雰囲気は抜けぬまま、しょうがなくカイは話を聞くことにした。
どうせ話を聞かなければザックに殴られる羽目になるのだ。
「へへへへ・・・。」
妙な笑い方をしながらザックは少しずつカイに向かってにじり寄ってくる。
思わずカイは後ずさりするが、すぐにテントの端にぶつかり逃げる事もできなくなる。
ザックは逃げ場を失ったカイの体を掴むと、ズボンの腰紐に手を伸ばした。
「や、やめろよ、痴漢!」
「置換でも開環でもいいからじっとしてろって。」
そういって嫌がるカイの手を振り払い、ザックはカイのズボンを奪い取った。
カイの生まれたままの姿があらわとなる。親友のザックもはじめてみる姿であった。
思春期の少年としては当然、視線が一箇所に注がれる。皮の剥けきった立派なものがザックの目に飛び込んできた。
思わず自分のものを思い浮かべ比べてしまう。
「なに見てるんだよ。」
カイがひどく不満げに言った。突然脱がされて恥ずかしい部分を凝視されているのだから当然といえば当然だ。
「ああ、悪い悪い。」
そういってザックは無遠慮にカイの股間に手を伸ばし、彼の宝物を掴んだ。
「何するんだよ!」
「いいからいいから。」
全力で振り払おうとするカイを必死になだめてザックはカイの竿をこすり上げる。
先ほど見た、兄の秘密の行為を思い出しながら。
「あふ・・・。」
カイの口から声が漏れる。彼の竿にも血液が流れ込み、少しずつ硬度を増し、角度を上げていった。
カイは初めて与えられる快感に、ザックは快楽を貪るカイの姿に、2人はそれぞれ興奮していた。
経験のない快感に、カイはすぐに絶頂に達した。
「あ・・・ああっ!」
今まで出した事も無いような声を出し、カイはザックの顔に雄の証を解き放った。
ザックの顔の赤いペイントにカイの白い精液が生々しい。
「ふう・・・。」
カイは射精後の脱力感からその場にへたり込んだ。
「これなんだ?」
そういってザックは自分の顔についた粘液を手にとり舐めてみる。
「・・・苦い。」
ザックはそれを吐き出すと、顔についているそれも手でぬぐう。
白い粘液と赤いペイントが手についた。
「今度は俺な?」
そういいながら彼は自分のズボンを止めている腰紐を解いた。
ズボンは布がこすれる音を立てながら地に落ちた。ザックのはちきれんばかりに膨らんだ竿があらわになる。
「すげー・・・。」
いまだに興奮状態から抜けられていないカイはザックのものに手を伸ばした。
普段の真面目な彼からは決して考えられぬ行動である。
彼はザックのものを力任せに掴んだ。
「痛い。」
「あ、ごめん。」
カイは力を抜くと、壊れ物を扱うかのような手つきで先ほどされたことをそのままザックにし返した。
「あうう・・・。」
予想以上の快感にザックは思わず声を出した。彼は人にばれてはまずいと、自分の口をふさぐ。
ふとカイが手を止めてザックの先端を見ると、透明な液体がにじみ出ていた。
カイは少し不思議に思い、舌を伸ばしその液体を掬い取ってみた。
「うひゃっ!」
一番敏感な部分をざらつく舌で舐め上げられザックは声をあげながらその場にしりもちをついた。
「ごめん、痛かった?」
「き、気持ちよかった・・・。」
呆然とした表情でザックは答えた。ザックは手で再びカイの頭を股間へと導く。
一瞬戸惑ったカイもすぐにザックに舌を這わせ始めた。
「ああっ・・・ああぁぁ・・・。」
どうしようもない快感が体中を駆けずり回り、声を抑える事など考えすら浮かばなかった。
少しずつ激しくなるカイの舌使いにザックは目を閉じて全てを預け始めた。
ザックがカイの頭の毛を掴む。つけっぱなしになっていた羽飾りがカイの頭から落ちる。
「い、いくぅ!」
カイの舌により与えられる刺激に耐え切れず、ザックはカイの口の中で爆発した。
ザックが快感の中心に入ったそのとき、テントの入り口が開き副村長が入ってきた。
「あ・・・・。」
ザックは副村長のバルダと目があい思わず声を出していた。
バルダもテントに入ったまま動きが止まっている。
もっとも家に帰ると弟同然に育ったカイが友人の竿を裸で咥えているのだから当然である。
「あ、あの・・・。」
あわててカイも弁解しようとするが何も言葉は出てこない。
「そこにいろ。」
バルダはそれだけ言うと再びテントから出て行った。
後には裸のまま残された二人が残った。何も言われなかった事を不審に思い二人はズボンをはくことも忘れて呆然と座り込んでいた。
やがて表が騒がしくなる。2人は顔を見合わせ、改めて自分達が裸であることに気づくとズボンをはこうとそれぞれ自分のズボンに手を伸ばした。
そのとき、バルダがテントに戻ってきた。
「出ろ。」
「でも、ズボン・・・」
「そのままだ。」
バルダは裸のままの2人を立たせるとそのままテントの外へ連れ出した。
テントを出てみると、二人を待っていたのは村の大人達全員だった。思わず股間を手で隠す。
何事か事情のわからない二人を尻目に、バルダは一歩前に出ると大きな声で村人達に呼びかけた。
「先ほど話した通り、彼らも性に目覚めた。そこで彼らに大人としての儀式を施そうと思う。
誰か手伝ってくれるものはいないか?」
バルダの呼びかけに一人の男が進み出た。ザックの実の兄、リックである。
「一人は俺の弟だし、俺がカイの方受け持ってやるよ。」
にやけた笑みを浮かべながらリックはカイに近づいた。バルダも頷くとザックの後ろに立つ。
何が起こるのかわからないザックとカイは不安そうな顔で顔を見合わせ、それぞれ自分の後ろに立つ男達を見た。
と、バルダが自分の腰紐を勢いよく引き抜いた。隣のリックもそれに続く。
2人の竿は既に臨戦態勢だった。ザックもカイも予想外の展開が続き、何も言う事はできない。
バルダが後ろからゆっくりとザックの体をなでる。不安げな表情でバルダを見上げると、彼は大丈夫だといわんばかりの笑顔でゆっくりとザックの体を押し倒した。
バルダがザックの鼻の頭を舐めながら股間のものに手を伸ばす。
「はふぅ・・・。」
触れるか触れないかの瀬戸際で愛撫され、あっという間に達しそうになるが微妙なところで止められ悶えるしかない。
隣に視線を向けるとカイが兄のリックにしゃぶられていた。
リックの竿もまたカイの口を出入りしており、その卑猥な光景にザックも興奮を覚えた。
ザックは腰に押し付けられている熱い塊を掴むと乱暴にしごきあげた。
「ううっ・・・。」
バルダが声を漏らした。いつも冷静な副村長が自分の手で悶えていると思うとザックの興奮はさらにました。
ザックは自分を抑える手から抜け出し器用に態勢を反転させるとバルダのものを口に含んだ。
初めて味わう男の味に戸惑いながらも必死でバルダに快感を与える。
突然強い快感が下半身を襲った。視線をやるとバルダがザックのものをくわえ込んでいた。
カイが舐めていたのとは全く違う快感にザックはあっという間にバルダの口内に精液を放った。
口の中にあるザックの精液を村人が持ってきた器に吐き出すと、態勢を変えザックを四つんばいにさせた。
一瞬あった目にいつもの冷静な光が無い事に気づき、ザックは少し恐怖を覚えた。
だが抵抗する暇などあろうはずも無い。四つんばいになったとたん尻の穴に与えられた突然の感覚に再びザックは悶えだした。
「ああっ!!」
隣からカイの声が聞こえる。何とか首をめぐらし隣を見るとカイが既にリックに貫かれ、ゆすりあげられていた。
四つんばいにされ、後ろからリックが犯している。カイの竿もこれ以上ないほど大きく、反り返っていた。
「んっ」
自分の尻に納まっていた指が抜かれ、思わず声をあげる。だがすぐに変わりのものがあてがわれた。
バルダがゆっくりとザックの中に侵入してきた。先ほど器に取った精液を結合部にたらし、挿入しやすくする。
「はあっ・・・。」
ついにバルダの竿が根元まで侵入しきった。自分の中で脈打つバルダを感じザックは声をあげる。
と、突然腕をつかまれつながったまま起こされる。あぐらをかくバルダの上に座り込む形となったザックの視線に飛び込んできたのは村人達全員の自慰であった。
「あっあぁ!」
突然後ろから突き上げられ目の前の光景も気にならなくなる。
「あ、いいっ。副村長!」
鋭い快感にザックは自然と自分から腰を振っていた。
「副村長、俺達も・・・。」
村人の誰かが言った。
「よし、かけてやれ。」
さらに激しく突き上げながら副村長は言った。彼の言葉にこたえ、村人達は自分達のものをしごき上げながらザックに歩み寄る。
「あっああっ!」
「くうっ!」
ザックが声をあげると、村人の一人がザックに向かって精を放った。それが合図であるかのように他の村人達もザックに向かって精液を放出した。
「・・・ああぁぁぁぁ。」
精液の匂いにむせそうになりながらザックは三度目の絶頂を迎えた。
一瞬送れてバルダもザックの中に精液を放った。
隣でも全く同じ事が行われ、かけられた精液を使ってカイの体にペインティングが行われていた。
「これが大人の証だ。」
バルダがそういいながらカイがされているのと同じように、ザックに精液でペインティングを施した。
「大人・・・。」
「そうだ。一年中発情しているわれわれはこうして互いに慰めあう。お前達2人は今儀式を通して仲間として受け入れられたのだ。」
そういってバルダはザックに優しく口付けた。
ザックは体をバルダに預けるとゆっくりと目を閉じた。
もちろん彼は、これから行われる村人達との饗宴など知る由もなかった。