俺の名前はアセガイ。旅から旅への一匹烏ってやつだ。もっとも俺は狼だけど。
俺がこの世界を旅して回る理由はただ一つ。
世間を騒がせている怪盗
『銀狼』を捕まえてやることだ。
「よっ。」
 目の前に転がる
倒木を飛び越える。まだ枯れていないし倒れて間もないようだ。誰かが倒したのだろう。
 で、話を戻すが、『銀狼』はさっき言ったとおり今世間を騒がせている怪盗だ。
その正体は誰も知らない。だが、正体なんかどうでもいい。俺にとって問題なのはその名前だ。
ただでさえ現在、人間と獣人の関係は好ましくない状況にある。そんな状況で銀『狼』なんてイメージが悪い事この上ない。
それが実際に獣人であろうと本当は人間であろうと、だ。今は何にもないが、傲慢な人間のことだ
もしかしたらそのうち獣人狩り、なんてことをやりかねない。
「なんで仲良くできないかねえ・・・?」
 先ほど飛び越えた木に腰掛け皮袋にためてある水を飲む。
 木にいた虫が大慌てで穴に隠れている。
「とりあえず町に出て・・・」
 ごそごそと荷物の中身を探ってみる。どうも保存食がそこをつきかけているようだ。
「メシ食って買い物するか・・・。あんまり町には下りたくないんだがなあ。」
 常々思っているのだが独り言は一人旅をしている獣人の職業病だろうか。俺もいつのまにかすっかり独り言が癖になってしまった。
 水を飲むと俺は立ち上がり再び町へと向かって道を歩いていく。
 一陣の風が俺の鼻をくすぐる。緑の匂いだ。俺は大きく伸びをすると改めてあたりを見渡した。
どっしりと存在感を主張している巨木、陽光に照らされる葉、地面を覆う草。
いたるところに自然があふれている。やっぱりこうでなくちゃな。



 街。人間が無駄にあふれる場所。(俺辞典より抜粋)
獣人の俺が歩けばどんなに人があふれていても道が開く。気分的にはモーゼの十戒みたいなもんだ。
まあ実際は俺が獣人のせいだろうが。・・・服着てないからかな?とも思うが。
でも別に全裸というわけでははない。ズボンはちゃんとはいている。上着も着てたんだがこの間森を走っていたら破れてしまった。
やっぱり新しいの買った方がいいかな。でも金がないんだよなあ・・・。
そもそも『銀狼』さえ捕まえれば一発で億万長者・・・じゃない。目的は金じゃないんだ。『銀狼』を捕まえ獣人のイメージ回復だ!
「でも俺運悪いしなあ。」
 ふと、これまでの人生を思い返してみて思わずその場にかがみこむ。
子供時代からそうだ。走れば肥溜めに落ちる、じっとしていればどこからかボールが飛んでくる。
親孝行でもしようと思えば皿が割れる、ぼやを出す。腹が立って木を殴れば蜂に襲われる。
石をければ近所の雷じいさん(これって死語か?)にあたるし、大きく遠吠えすれば育児ノイローゼの
おばさんに包丁もって追っかけまわされる。大人になってからも昼寝をしてりゃ尻尾踏まれる、
肉をかじれば腐ってる、生きた獲物捕まえて食えば骨格異常かなにかで予想外の骨をかじる。
街に出れば獣人というだけで犯罪者にされたこともある。可愛い娘に声かけりゃオカマだし・・・。
肝心の『銀狼』も一度も出会ったことがない。俺が行くのとはいつも逆方向に出る。『銀狼』は予告状を出すって話だが、その話を聞いてから出発しても間に合わないほど遠くにいるのはいつものことだ。
はっきり言って物事がうまくいったことなんか一度もない。
人生そのものが落とし穴みたいなもんだ。
「ああ・・・。」
 涙が出そうだ。周りから好奇心と奇異とを混ぜた感情がこもった視線を痛いほど感じる。
「いや、こんな事で落ちこんでちゃだめだ。」
 敢えて大きな声を出し自分を奮い立たせる。こうでもして周りに落ち込んでる事アピールしとかないとただの変な人だ。
いや、変な獣だ。
 俺は気を取り直して歩きながら財布を取り出し残金を確認する。財布の中にはさっき釣銭でもらった
硬貨が入っている。
この国特有の硬貨だろうか。中心に穴があいている。
「珍しいもんもあるんだなあ・・・。」
 中心の穴に爪を引っ掛けくるくると回してみる。とりあえず街はずれの方にいくか、と思い角を曲がる。
どん。
ちゃりん。
 二つの音が重なる。一つは角を曲がった際に人にぶつかった音。もう一つは俺が爪でまわしていた硬貨が落ちた音だ。
「あ、すいません。」
 そういいながら俺は落とした硬貨を拾う。もとい、拾おうとした。
「おい。」
 硬貨を拾おうと屈みこんだ俺の後頭部をぶつかった男が踏みつける。
「ぐっ・・・。」
 しゃべろうにも口が開かない。なんとか上目遣いに相手を見る。
ガラも顔も悪い
だ。服のセンスも悪いし、ついでに言えば頭も悪そうだ。チンピラ風情だな。
「獣風情が街歩いてんじゃねえよ。」 踏みつけるだけじゃなく足がひねりも加えてくる。
回りの人も何事かと集まってきている。もっとも遠巻きにみるだけだが。
ここで暴れれば獣人の印象が悪くなるだろう。そう思って必死に耐える。耐えるが・・・俺にも我慢の限界と言うものがある。
「べふっ!」 
新しい生き物の鳴き声か?と思った瞬間頭の上の足がなくなる。顔を上げてみれば俺を踏んでいたチンピラが倒れている。
「獣以下の頭しかもってないくせに威張るんじゃねえよ。」
 俺の後ろから声がする。振り返ってみるとたくましい
大柄の男がたっている。鋭い目つきは鷹、なんてもんじゃない。
ドラゴンすら連想させるほどだ。・・・ドラゴンみた事ないけどな。服装を見る限り戦士のようだが・・・
「て、てめ・・・。」 チンピラが文句を言おうとした瞬間戦士の足が相手の腹にめり込む。急所をはずし痛みだけを与える的確な蹴りだ。
「うざいから消えろ。」
 戦士からもう一発蹴りが放たれる。今度の蹴りは痛みを与え、同時に相手の意識を奪うための蹴りだ。
「うぐぇ・・・・。」 戦士の思惑通り男はその一撃を受けて意識を失ったようだ。
俺が事件の張本人のはずだが、なんだかすっかり蚊帳の外だ。多分俺が踏まれてるのを見て助けに入ってきたんだろうが・・・さっきから戦士は一度も俺のほうを見ようとしないし。
俺が戦士に声をかけようとしたときだった。
「ジェイド、終わったんならさっさと行こうよ。」
 一人の
少年が戦士の後ろから彼に声をかける。どうも戦士の連れらしいが・・・こっちはどう見ても普通の少年。
町にいくらでもいる類だ。戦士の雰囲気とはつりあっていない。
「ん、そうだな。」
 それだけ言うと戦士はさっさとその場を離れた。
「えー・・・。」
 俺は思わず絶句する。礼を言うべきだったか、と思ったが既に後の祭り。あの二人組みの姿はどこにも見えない。
というより周りの人間たちであたりはほとんど見えない。俺はいまさらに羞恥心がわいてきて、町を出る方向に向かって走り出した。



「ここまでくれば・・・。」
 そういって後ろを振り返る。町が少し小さく見えた。ここまでくれば人間もいない。
俺は一息ついて街道の端に座り込んだ。後頭部に手をやれば毛にチンピラに踏まれた際の土がついている。
俺はそれを払い落とすついでに毛繕いをはじめた。頭から初めて尻尾の方まで。俺の数少ない心が休まる瞬間だ。
一通り毛繕いを終え、俺は立ち上がった。
「やっぱり獣人なら
野宿だよな。」
 心にもない事を言う。言ってみればむなしさがまぎれるかと思ったが無駄だったようだ。
とりあえず道の真中で寝るのもなんなので道をそれて森の奥に入ってみる事にした。
5分とたたないうちに、俺は野宿を決定した事を後悔していた。ある程度進むと草が生い茂りそれをかき分け進むため遅々として進まない。
さらに雨まで降ってきて俺の人生なんなんだ、という思いが胸の内を占める。
「ちくしょーっ!ばかやろーっ!!」
 大声で叫んでみるがそれで何になるでもない。むなしさが増すだけだった。
泣きたい。というかすでに涙があふれている。雨が少しきつくなってきた。
このままじゃ毛がぬれて風邪でも引いてしまう。そう思った矢先、草が途切れて俺の目の前に横穴が姿を見せた。
崖を貫きそうな大きさであいている横穴はどうやら自然にできたものらしい。
このままでは雨にに濡れると思い俺はとりあえず横穴に入る事にした。
入った横穴は結構広く俺が手を伸ばしても左右の壁に手がつかない。もちろん天井にも届かない。
「いいところ見つけたなあ。」
 少しいい気分になった。俺の人生まだ捨てたもんじゃねえな。
一番奥には藁が敷き詰めてある。ベッドになるなあ・・・。そう思い俺は濡れたズボンを脱ぐ。
・・・藁?
「なんでこんな所に藁?」
 俺はつんである藁のそばにしゃがみこんだ。何の変哲もない普通の藁にしか見えないが・・・。
そのとき俺の後頭部を誰かが踏みつけた。
「うげっ。」
 思わず声が出る。昼間とまったく同じだ。こういうのを既知感というのだろうか・・・。違うか・・・。
 俺は上目遣いで俺を踏みつけている相手をみた。昼間も思ったがこういう時鼻が長いと無駄に地面を見つめる心配がない。
ちょうど俺の背中の上にいるらしく姿は確認できないがゆれている尻尾から判断するとどうも
ライオンらしい。
もちろん四足の方ではなく獣人だろう。
「誰に断ってここにいるんだ?」 背中の男に冷たく言い放たれる。低く響くいわゆる渋い声だ。・・・場違いな事を考えてるなあ俺。
「何とかいえよ。」
「うぐぐ・・・。」
 もちろん昼間と同じで口が開かない俺である。しょうがない、多少暴力に頼るか。今回は相手も獣人みたいだし。
俺は一瞬だけ体に力を入れ体を起こすと相手の足にタックルを食らわせ転ばす・・・つもりだったが。
俺が体を起こした瞬間背中の男に再び組み敷かれた。強い。おそらく実力は俺より数段上だ。
「動くな。」
 今度は腕をとられており、その腕は完全に関節が決まっている。・・・痛い。
俺は下手に出る事にした。
「す、すいません。ただ俺は雨宿りをしようと・・・」
「どんな理由にせよ俺の寝床に入ってきたんだ。それなりの覚悟はできてるんだろうな?」
 俺の背中に密着している筋肉が動く。すごい体躯だ。そんな事を考えた瞬間俺の尻を男の手がなぞる。
「お、おいっ!」
 これにはさすがに慌てた。俺にその趣味はないのだ。
「黙れよ。」
 男はさらに手を伸ばし俺の足の間から顔を覗かせている二つの毛玉を手に取った。
男が軽く力をこめるだけで激痛が走る。息子を人質にとられた父親はこんな気分に違いない。
そんな事を考えたのがばれたわけではないだろうが、そんな事を考えたまさにその瞬間に男は腕を放し、体制を変え俺の頭の上に座り込んだ。
すばらしい早業である。そして依然として俺には相手の顔が見えないままだ。
男は俺の両足の太ももをつかみそのまま引き上げる。おれは完全に海老ぞり状態だ。
「た、頼むからやめてくれ。」
 だが男は聞く耳を持たない。男の鼻が俺の尻肉を割り奥まで入ってくる。男の舌が俺の尻の穴を捉えた。
「うわっ。」
 慌てて声を出すがやはり男は動きを止めない。男の舌は俺の尻の穴に始まり、舐め上げるように蟻の門渡り、二つの毛玉、そして俺のもつ唯一の宝である肉棒に舌をのばす。「ああっ!」 ざらついた舌が絡みつく。電撃のような快感が体を襲う。と、男が唐突に手を離した。
俺の下半身が地面に打ち付けられる。「・・・?」 俺が声を出す前に男は俺を仰向けにし、俺の顔の上に座りなおす。男の足はしっかりと俺の手を押さえつけている。
男の剥き出しの尻が目の前にあり、男の尻の穴が鼻のすぐ上にある・・・が、思ってるよりくさくない。
「結構立派なモノ持ってるじゃないか。」
 そういって男は再び俺のモノに手を伸ばす。獣人というのそもそも人間より大きなモノを持ってるもんだが、俺はそんな村の中でも5本のモノ・・・ではなく指に入るほどのものだと評判だったのだ。
「気に入ったぞ。」
 男が俺のモノをゆっくりと上下にしごき始める。「ううっ・・・・。」 さっきからまともな言葉を一言も発していない、いや発することができない。
しばらく禁欲していたせいか男の手により俺のモノは息を吹き返すようにゆっくりと体積を増してきていた。
「や、やめてくれ。」
 俺は必死で男の尻の下でうめいた。俺はまだ童貞なのだ。こんなところで男に奪われたくなどない。
しかし男の答えは非常である。
「言っただろ?俺の寝床でわざわざ脱いで待ってたんだ。ただじゃ返さないぜ。」
 そういって俺のモノをしごく手に少し力をこめてきた。俺のものはますます硬度を増してくる。
「頼むから・・・。」 俺がそういった瞬間男は手を離した。男の手を離れた俺のものは既に補助無しで天を仰ぐほど成長している。
「あ・・・?」
 受け入れられるとは思っていなかった頼みが受け入れられ俺は一瞬呆然とする。さらに俺の顔の上の尻もなくなりほとんど開放された状態になった。
(助かった・・・。)
 そのときは本気でそう思った。だが人生、特に俺の人生はそんなに甘くないのだ。
男は俺のものから手を離し、顔から尻を上げて俺を解放したわけではなかった。
男は尻を上げたそのままの動きで俺の股間に屹立するものをくわえ込んだのだ。
「うひゃっ!」
 訂正しよう。快感が電撃のように体を走るとはこの事だ。目の前がちかちかする。今までに経験のない快感が俺を襲い、俺の意識を飲み込もうとする。
男のざらついた舌が俺のモノに絡みつき、頭を上下に揺らす。
「ああ・・・。」 思わず放心し、口から嗚咽がもれる。その口の中に一滴の水滴がたれてきた。
一瞬ライオンから小便がたれたのかと思ったが、俺と同じくらい立派な男のモノをみるにどうも先走りがたれてきたようだ。皮が剥けきった男根には巨木に絡みつくツタのような血管が浮いている。
「好きにしていいぜ。」 俺が男のモノを見ているのに気づいたのか、俺のモノから口を離した男がこっちを向いてそう言う。ここにきてようやく俺は男の顔を確認する事ができた。
やはりライオン、獅子獣人である。立派なたてがみが男らしさを強調している。そう考えて改めて俺は男に犯されているのだと再認識した。
「頼むからもうよしてくれ。こんなところで童貞を失うのは嫌だ!」
 はっきりと自分の気持ちを述べた。が、逆にそれが裏目に出た。
「童貞か。じゃあ
筆おろししてやろう。」
 ライオンはさらに嬉しそうな顔をして再び俺の股間をもてあそび始めた。
再び俺を快楽の波が襲う。
「あ、ああっ・・・」
 俺の口から嬌声が、目から涙が漏れる。と、大きく開けられた俺にライオンの男根が侵入してきた、
「んぐっ!」
 一瞬噛み付きたい衝動に駆られたが、そんな事をしたらどうなるかは予測がつく。童貞のまま死にたくはない。
俺は言葉どおり涙を飲んでそのままの形で耐えた。しかし、ライオンはそれでは許さず、自ら腰を振り俺の口を犯す。
「ん、んっ!」
 それ以上にライオンは俺の肉棒を執拗にしゃぶり上げる。
限界が近づいてきた。
「んーっ!」
 俺は、ライオンの口内に溜め込んでいたものを全て吐き出すような勢いで精液を噴出させた。
俺のモノが何度も跳ね上がり、あわせるように俺の口の中の男根も激しく暴れる。
しかし、俺はライオンによって与えられた快感によって頭が麻痺しているような感覚に陥っていた。
「よかっただろ?」
 ライオンは俺の精液を全て飲み干すと俺の口から男根を引き抜き俺の耳元でささやいた。
いつのまにか押さえつけられていた手も開放されている。もっとも既に逃げる気はなかったが。
男の手と口によって絶頂を迎えた、と言うことが俺の中にわだかまっていたが、麻痺した頭ではそれ以上のことは考えられない。
「そのままじっといていろよ。」
 返事をしない俺を気にもとめずライオンは体を起こすと足をつかみあげ、再び俺の尻の穴を舐め始めた。
「おい、もう・・・。」
 俺はそれ以上言う事はできなかった。もうやめてくれ。もう終わったじゃないか。そう言いたかった。
だがもしかしたら。『もう抵抗しないから、やさしくやってくれ。』俺の中で別の俺がそうささやいた。
違う!俺は男なんか求めていない。
 だがライオンはそんな俺の葛藤にまったく気づかず、俺に対する愛撫を続けている。
「おまえがイっただけだ。一人で満足されても困るんだよ。」
 そういいながら今度は舌の変わりに指を一本入れてきた。俺の中に進入してきた指は中で蠢き俺を内側から駆り立てる。
二本目。ライオンはどんどん指の本数を増やしてゆく。『気持ちいい・・・』先ほどのもう一人の俺がそう呟いた気がした。
「違うっ!」
 俺は思わず声に出して叫んでいた。『違わない。おまえは抵抗をすでに放棄している。』「俺」のいうとおりだ。俺は既に自由に動けるはずなのに一切の抵抗をしていない。
 既に三本目が進入をはじめていた。
「おまえの名前は?」
 俺の内側を弄んだままライオンは耳元でささやく。
「・・・アセガイ。」
 頭が回らない。ただ質問されたから無意識に答えた。それだけだ。
「アセガイ。」
 耳元でライオンがささやく。無意識に答えただけのはずなのに。名前をささやかれるだけで俺は何かを壊されたような、最後の門を突破されたような気分になった。
「あっ・・・。」
 俺の声が先ほどとはうって変わり艶を帯びたものになる。もう相手が男だとかそういう事はどうでもよかった。
ライオンもそれに気づいたのか既に四本入っていた指を俺の尻から引き抜く。
「抜かないでくれ・・・。」
 弱い声だが、はっきりと相手に届く声で言ってやる。
「もっといいもんやるよ。」
 ライオンはそういうと俺の尻の穴に己の男根をあてがい、俺の呼吸に合わせて一気に挿入した。
「があああああっ!」
 今までのものとは比べ物にならない程の痛みが俺の尻を襲う。太さが指とはまったく違うのだ。
その部分だけではなく全身引き裂かれるような痛みを感じる。
 ライオンは俺の腰を抱え込むと激しく前後運動を開始した。
さらに激しい痛みの中でライオンが俺の最奥に届いたとき、俺は確かに快感を感じた。
「もっと、もっと奥に!」
 俺はライオンの上体を起こしライオンの背中に手を回すと力の限り抱きついた。
ライオンは俺の顔に舌を這わせまさに顔中を舐めまわしている。
「もっとだ、もっと!」
「アセガイ・・・思い切り締め付けろ。」
 耳元で囁きながら俺を激しく突き上げる。俺の中で暴れまわる男根は確実に俺の中の快感を呼び起こしていた。
 不意に俺の中からライオンのモノが抜き取られる。
「あ・・・」
 思わず声を出した。が、ライオンはそれに答えるかのように今度は俺の口を舌で犯し始めた。
「んん・・・。」
 お互いに声が出ず、それでも俺はもっと強い刺激を求めていた。
ライオンは口を離すと俺を四つんばいの姿になるよう指示した。俺ももちろんそれに逆らったりはしない。
頭を地面につけ、尻を高くあげ、尻尾を誘うように振りながらライオンの再侵入を待つ。
まもなく俺の望んでいたものが侵入を開始した。さっきとは違いゆっくりと確実に俺を押し開くように入ってくる。
よすぎた。声を出すなというのはもはや無理な相談であった。
「いいっ、もっと、もっと!」
 延々と催促の言葉だけを口にしつづける。俺は俺の中に入る男根を、それとともにやってくる快楽を貪欲にむさぼっていた。
俺の中で完全に侵入しきったライオンが激しく暴れ、俺の内壁をこすり上げるのを意識しているとさらに強い快楽を感じる事ができた。
そうやって俺が全てをかけてライオンを感じていると、突然最後の時がやってきた。
「う、ううっ!」
 俺に覆い被さるように前のめりになったかと思うと、ライオンは俺の中で激しく痙攣し果てた。
「はあっ・・・。」
 俺も大きく息を吐くとその場に崩れ落ちた。気が付けば俺は既に二度目の絶頂を迎えていた。



 先ほどとなんら変わらぬ体制のまま数分がすぎた。ライオンはゆっくり起き上がると俺の中から萎えかけているモノを引き抜いた。
それとともに白濁液が流れ出て、俺の足をつたう。
「おいアセガイ、おきてるか?」
 ライオンが俺に声をかけてくる。
「・・・なれなれしく呼ぶな。」
 ぶっきらぼうに答える。
「そんなに冷たくするなよ。」
 自分を犯した男に冷たくするなというのが無理な話だ。
「いったろ、筆おろしさせてやるって。」
 そういうとライオンは再び俺の股間のモノを指で弄び始めた。
「おい、まだする気か!?」
 慌てて起き上がり、ライオンに向かって叫ぶ。そのの叫びにライオンは笑顔でこたえた。
「だから。次はおまえの番だって。」


・・・・・・・今晩は眠れそうにない。